グッドジョブ本人

こんなにも世の中には良いものや面白いものがあふれていたということをやんわりと残す

どんどん変わっていくceroが楽しみでなあ

ceroが5月16日にリリースする4thアルバム「POLY LIFE MULTI SOUL」のプレビュー公演的な2DAYSライブが4月12、13日にあった。

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 両日ともに新曲からスタートしたライブは、2曲目もまたその次もという調子で、まだ世に出ていないアルバム曲が次々に飛び出す。披露された新曲群は前作の都会的な黒い音からまたひとつ色を変え、前作の参照元がニューヨークならば今作ではアフリカに到達したかのような印象のルーツさらに深掘り感があった。

ポリリズムや呪術的なアンサンブルwithコーラスといった大陸的なものとか、ジャマイカな裏弾きのカッティングギターにルンバなアコギとか。果ては個人的にうれしかったハウスの片鱗まで見えて…そうした数々の音楽を、彼らは今の感覚で着こなしていた。ceroの懐はさらに深くなり、それを聴く私(達)はまたもや気持ちよかった。

 

今回の変化に至ったのはceroの3人を支える“第4のcero”達が大きく作用しているのだろう。3rd以降から準レギュラー化した古川麦小田朋美、角銅真実によるサウンドの貢献度はライブを見れば明らかで、昨年から観るライブ観るライブでどんどんアンサンブルを豊かにしていった。

そんなメンバーで作り上げたであろう新曲はとても先進的だったし、前作の収録曲「Elephant Ghost」なんかも先日はますます生き生きとして。髙城晶平も酸素カプセルから飛び出したイアンブラウンばりにステージを動き回って縦横無尽の心地が見えた。

 

ceroというグループは読めない。ライブはもちろん、そもそもの音楽性もそうで、レトロな音を出すニューカマーだねーと1stアルバム「WORLD RECORD」を愛聴していたらアルバムごとにアーバンだネオソウルだと音の顔つきが変わり、プレイヤーも4人6人8人ときどき2桁って感じで増減する。「彼らと言えばこれだ」を説明しづらい。時間とともに嗜好が変わるリスナーと同じくらいのスピードで新陳代謝していく。

その課程で、必ずしも成功とは呼べない転び方を見せるライブなんかもある。昔からずっとライブを観てきた中で、うるさがたの友人と「この日はなんだかよくわからなかったね」なんて終演後に話しながら帰るみたいなライブも、下手したら3回に1回くらいはあった。ただ昨年からは外しのないステージに出くわす機会が増えてきたのが明らかなので、きっと本人たちも気持ちいいモードで活動しているんだなあと思う。

 

いろんなアーティストのコンサートを観て過ごしていると「あの人達の曲を聴いて汗だくにハシャぎたい」「彼女の歌にしっかりと体内を洗い流されたい」と、各人になんとなく目的を見出してしまってることが多い。でもceroに関してはいまいちそれが定まらない。かんたんに言えば知的好奇心を満たしていただいています、だけど…それにしたって初日のCTCは突き抜けて楽しかったし、2日目のOrphansでは「生命(いのち)…!」と近頃の自分や新しい命に想いを馳せてしまったし。2日間、とてもいいライブだった。

次はいよいよアルバムも楽しみになる。歌詞の読み解きも忙しくなろう。聴き込んでからのライブも(出産後だから行けないと思うけど)また楽しかろう。こんな調子でceroをとても頼もしい存在として見ている2018年だ。