グッドジョブ本人

いいものや面白いものがたくさんあふれていたよってことやんわりと残しておく

食材宅配6サービスを試してラクで豊かな生活を模索した

生活環境の変化や加齢に伴って、最近は主に体力的な意味での「余裕ある暮らし」を求めるようになった。そんな想いから日々いろいろなものを試用するようにしていて、今回はそのトライのひとつだった宅配食材のお試しについてまとめておきたい。

この宅食トライは、「自分の手で料理をすれば生活が豊かになるけど準備クソダルいよね」というお気持ちから興味を抱き、調べたら各社さまざまなお試しキットを販売していたからやってみたものだ。本記事ではあくまでそのキットの感想だけなので、実際に本会員になってカタログ利用したものとは異なる点だけ注意。

新鮮素材デリバリーから温めるだけ食品まで形態さまざま

まず最初に知ったのが、一言「宅食」と言ってもいろいろな種類があるってことだった。素材の箱詰めだけでなく冷凍食品もあるし、素材がカット&加工済みミールキットというのもある。

皮むきや下ごしらえはダルいけど調理はしたいYARI-GUYおじさん的に「あとは混ぜるだけ焼くだけ」的なサービスを探したが、残念なことにヨシケイは自宅が配達エリア外、【TastyTable】 はオシャレだが高いという理由で断念した(あとChefyってのもあったみたいですがアッアッたぶん経営難アッ)。

そんなわけで今回は素材配達中心にこの6社をセレクト。参考のためにカッコ書きは注文したものと総額も記載しましたー。

あと生協系で生活クラブってのもあったんだけど、ここは他と違ってなんと資料請求の見返りとして無料で「肉の旨さを感じるセット」(なんかエッチな響き)などを取り寄せられるという仕組みで、なんか「他社は有料なのにここだけ無料って悪いよなあ」と敬遠してしまった。今にして思えば誰におもねったのかわからん。

バラエティパック的オイシックスのお試しで即優勝

各社のサイトで申し込んだところ、それぞれ配達指定はできるものの到着タイミングはまちまちだった。一番遅くて3週間後とかで、逆に一番早いのはオイシックス。ここは楽天ペイ対応なので余った楽天ポイントを消費するという意味でもよかった。注文から二日後、冷蔵便でダンボールが届く。

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これ、ワクワク感がすごい。横長のダンボールにぎっしり食材が詰まってる、てかパイナップルなんてまるごと一個あるやん…!陣痛真っ最中である妻の見舞いに出る直前に届いたのだが、想像以上の素材の豊富さにうれしくなってだいぶ遅刻した(ことをここに告白する)。

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壮観。シーズンごとに素材が変わるので今はまた違うラインナップなんだけど、このバラエティ加減はきっと変わらないだろう。野菜と果物だけでなく加工食品もそろっていて、かつピビンパとスープとサラダの“炒めるだけ混ぜるだけ”ミールキットも入っていた。

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サラダ!混ぜるだけでこれ!洒落てんなあ!とピビンパの写真を撮り忘れたことを勢いでブン投げつつ、ここにオイシックスのUX最高っスということを取り急ぎご報告。

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大地を守る会の異常な攻撃姿勢

二番手は契約農家からの有機野菜を厳選してお届け!と素材に対する自信がすごい大地を守る会。オイシックスと同額ながら、先方にはない肉類やマヨネーズが付いていた。

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うん、美味しかった。豚肉は「うまみこい豚」という雑なネーミングの通り噛みごたえのあるジューシーなものだったし、濃厚プリンもその通り。「澤村さんのトマト」というのも産後の妻にとってうれしい初夏の贈り物になったようだ(おれ生トマト無理)。

ただ守る会はお届け後がすごくしんどかった。

配達数日後に「どうでしたか?」と電話がきた。そのときはちょうど病院だったので今度ねと伝えたら追い電、追い電、また追い電、そしてメールメールメール。一度きちんと時間を作って電話を受けたところどれだけ経っても「うちの野菜は安全でおいしいんですよ!」的なお話をお母さんが続け、そろそろ無理だと思ってサンキューですと切ったら8分だった。

そんな理由で先方のお試しを無下にするのは良くないと思いつつ、私は人ができていないので、以後も電話とメールが続くのを断ち切るためにも完全にBANした。Googleに「大地を守る会」と入力するとすぐ「退会」と候補が出るので、きっと正式に入会したあとも大変だろう。「大地を守るためならなんでもするぞ」という意欲的な姿勢は、この生きづらい社会においてとっても大切なことだと思う(ので遠くでやっててほしい)。プリンは…美味しかったですよ…!

野菜おいしいけど宅配待たんでもええかな…

その後も次々コンスタントに届く野菜たち。らでぃっしゅぼーやの甘さが自慢のお野菜はもうひたすらにベジだった。雑に撮った写真のとおり赤いさつまいもと人参は泥付きで茶色く、ダンボールを開けたときの感想が「大自然が届いた」って感じの緑一色で戸惑ったけど。

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しかしやっぱり当初から「野菜は普通に買えるしなあ」と男手思考で感じていたので、有機野菜セットor離乳食or定番満足おためしセットのパルシステムお試しは品を変えることに。生後半年近く経たないと離乳食はダメなので定番満足おためしセットにした。体に良さそうだった。あと飲むヨーグルト久々に飲んだ。パルシステムの宅食といえばいちばん有名なの離乳食なのにな。ごめんな。

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もう一方のコープデリ。妻も個別にお試しを注文していたので冷蔵と冷凍の2セットが同着。引っ越し前にコープ店舗でよく買ってたすねというものがワンセットお試し600円というコスパなのでお得だった。ただ残念ながらコープの品質は十分に知っていたので、正規価格の宅配でコープかあ…となってこちらもスルーする。

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高品質な冷食を届けてくれる日本的企業

最後に試したのが「食で日本を豊かにする。」というわかりみに満ちた姿勢の冷凍おかず宅配、わんまいる。旬の食材を使った手作りおかずを届けてくれることもさることながら、高齢者や健康気になるマンにもうれしい系セット名が「健幸ディナー」と命名されていたので「好き!」ってなってしまった。本人すぐそういう人好きになっちゃうよねー。

もちろん大阪の会社だ。

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ダンボール開けたらこれだったので笑ってしまった。無骨!パンフによると、この包装は「大阪商人の心意気とでも言うのでしょうか、資材に使うより少しでも良い原材料を」ということだそうです。よろしくおねがいします。

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ほんと地獄みたいな写真のクオリティが続いてつらい気持ちになる気持ちはわからんでもないが、2食分ほど解凍させてみた写真をどうか見てほしい(ごはんは自前)。

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よかった。別日に撮ったのも出てきた。主菜と2つ副菜ってのが5セット。すべて単なる冷食とは段違いに美味しかった!ただ1食あたり800円と、お試しでも結構するのと解凍方法が湯煎か水さらしとなかなかめんどくさいのはネックかもしれない。

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振り返るとわんまいるは食品異常にものすごく商人の熱量が印象に残る。各社とも食品と一緒にパンフレットなどが同封されるのだけれど、わんまいるは社長の檄文がA4で3ページ分もくる。味のクオリティを担保するものが社長の味覚ってところもなんかいいよな!こういうのすごく日本ぽいって思った。

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というか各社で紙モノのトーンがぜんぜん違うので見比べるのも楽しかった。

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めちゃくちゃラクにはならんけどいいなとは思った

総評。我が家の近くにはスーパーがあるので、まあ…今は特にいいかな…。おもしろ食材通販であれば、産直SNS的なポケットマルシェ、あるいはメルカリの野生出品野菜を購入するのが面白そう。

poke-m.com

宅配なのでもちろん安くはない(各社1食につき500円以上になりそう)、会社によっては自前で宅配ボックス必須だったりする、そしてカタログ注文なので、欲しいと思ってすぐゲットできるものではない。「都心だけど適度に住宅街」「スーパー至近」「買い物自体は好き」「宅配ボックスがない」「共働き」だとそんなに恩恵がなさそうだなと感じた。

もちろん自分が本来求めていた加工済みミールキットが試せたのがオイシックスだけだったので、結論は早いかもしれないけれど…おそらく離乳食が始まる頃にもう一度検討するまではまだいいかなということにして、それまでの中間報告ということでこの記事を締めたい。当サイトではパルシステム製ミールキットの感想とTastyTableのお試しクーポン枠くれる人を募集中です。

追記

ここまで書いてから気づいたんだけど、いま宅食業界ってものすごい変革期っぽい。というかオイシックスが大地を守る会、らでぃっしゅぼーやを次々に飲み込んで今や「オイシックス・ラ・大地株式会社」になっているとか。確かにオイシックスが一番良かったけどそれにしても強すぎる。宅食会のUFJKDDIすぎる。

www.oisixradaichi.co.jp

美輪明宏が話してた「恋」と「愛」の違い、今でも思い出しながら生きてる。

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今のパートナーと「交際しましょう」となってから今月で1年。今日までにその相手と同棲、結婚、出産、育児とわかりやすく階段を登ることができた。もうありがたいことこの上ない。頑丈だし感受性豊かだし、キッチンに立てば自分に作れない料理がぽんぽん生まれるし、もう本当なんて人だろうと日々驚きながらダイニングテーブルで向き合っている。

そんな彼女との初めての遠出は、ちょうど去年の今ごろ横須賀で行われた美輪明宏のコンサート「ロマンティック音楽会2017 〜生きる〜」だった。老若男女、ハンディキャップ持った人も幅広くステージに向き合うコンサート。出だしこそ荒地の魔女の声で「ご紹介にあずかりました…きゃりーぱみゅぱみゅです……」とか言い出すので「どんなスタンスでいればいいです…?」と不安になったが、すぐさまありがたいトークとおどそかな歌の繰り返しで気持ちがほぐれていった。

ショウは二部構成で、前半は人生の酸いも甘いも通り過ぎた人に寄り添う人情コンサートが展開された。例えば自曲「昼メロ人生」の歌唱前に美輪が「結婚して幸せになった人はいます?」と尋ね、客席の沈黙そして微笑を聞き届け、「まあ、何かの間違いで幸せになれた人もいるでしょうけれども」と恋愛結婚の行く末を憐れんで「主婦の皆さまに捧げます」と話して歌唱に入るといった具合だ。そして第二部はバチバチのシャンソンショー。舞台装置も次々に駆使してどんどん観客を惹き込み、ラストにいち女優の人生劇をドラマティックに描いた「老女優は去り行く」でカタルシスにもっていく。身近に感じていたものがラストに大化けしたことで、私たちは「人生…!」「うん、人生…!!」神奈川を出るくらいまでまともに話すことができない状態に陥った。いい夜だった。

そんなコンサートの中で、美輪が興味深いことを話していた。蜜月の時間を過ごしたのに別れのときに荒れる男女を「みっともない」とたしなめていたタイミング。彼が言う。

「それは愛じゃない、恋なんですよ。自分の欲望を押し付けるだけですからね。本当の愛っていうのは相手のことを考える。自分のことはどうなってもいいから相手の幸せを願うという…そういうのが愛なんじゃないかしら」

付き合いたてのカップルはそれを「あらまあ☺」と聞いていたが、なるほど今もよく思い出して過ごしています。

1年という時間はあっという間のような、とても長かったような。そんな時間のいとなみの中、私はその美輪の言葉をたびたび思い出してきた。ひとりではない自分の人生が2年目を迎えられたのは、もしかしたらそのおかげなのかもしれない。これからもすこやかに長々と生き、ときどき美輪さんを拝む機会なども作って、最後は「老女優は去り行く」ばりの人生劇があれば大変さいわいだ。

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横沢俊一郎の才能を誰とも共有したくないなって気持ちを1人でも多くの人に届けたい

人よりSNSを多くやってるので、脳がりょうくんグルメみたくズルズルだ。いいものを見聞きしたらすぐさま全ての関係者に届いてほしくなるし、遠い人が遠いままだなんてとても耐えられない。

最近では横沢俊一郎がまさにそれ。

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ライター / 編集者の九龍ジョーさんがTwitterに貼ったこの曲で、私はたちまちにしびれてしまった。20代後半の宅録シンガーソングライター、横沢俊一郎。心根をくすぐりかねない良メロディや重ね録って煮込んだサウンドにはいずれもンッ今の?!と聞き返したくなる引っかかりの要素が配合されている。よくよくフォーカスしたら意外とドロリとしたものが織り込まれてたポップス、というと質は違うけれどスピッツを聴くときのようだな。

そんな横沢が、5月にようやくファーストフルアルバム「ハイジ」をリリース。ローファイな作りの楽曲や日常的な空気を切り取った風情の曲など全10曲、彼の試行錯誤がそのまま作品として見事にパッケージされている。

こうやって書く本作は当然良作なのでぜひお友達のみんなたちも聴いてほしくて、いや、でも、ちょっとやっぱ聴かないでくれみたいな、複雑な気持ちで。

彼の音楽は魅力的なのだけれど、そう思う気持ちは、夜中にひとりで街を歩いてて突如起こるソース不明の万能感に近い。もしくは古い校舎の中で誰も立ち入らないような場所を根城にして抱く安心のようなものかもしれない。誰ともわかちあえることのない(ままでいてほしい)気持ちで、横沢俊一郎の作品にやみつきになっている。独り占めしたいというより、これを心地よいと思えることに価値があって、その純度が高いままであってほしいというような。

先月のアルバムリリース時に「書かいでか!」とは思っていたが今日まで放っていたのは、そんな気持ちも手伝った。気づけば音源が聴き放題になっていたのでここに記録する。大好きすぎる。

横沢俊一郎の「ハイジ」をApple Musicで

ハイジ by 横沢俊一郎 on Spotify

ハイジ

ハイジ

 

 

共感やめろ、地獄インターネット2018

インターネットは地獄ですなあと感じる機会が増えた。

ここ数年ネットの地獄はいたるところで目にしてきた。やたら炎上の着火が早くなったよねとか、コピペbotだとか、メディアモドキとか。しかし最近になり、新たなジャンルの地獄も頭角を表してきているような気がする。

数日前に「子供嫌いの言い分」というツイートが大きく拡散された。「公共の場で騒ぐ子供に対して何も言わないでいる親は甘えていてクソ」というその主張は相当数の賛同も得ている。これは先月子供が産まれた我ら夫婦にとって「どこ歩いたら世間様は許してくれるんや…」と絶望するには十分すぎた。産後の育児アドバイスとして「子を騒がせておくことで鎮める」というのを聞いた直後なだけに、なおさら。

そして子供嫌いとタイミングを同じくして、RADWIMPSが愛国心を爆発させた歌を発表。両翼こんがらがる混沌のタイムラインを構築してみせた。野田洋次郎の主張ツイートを見ながら、「音楽の才能に恵まれたほうのおれたち」的こじらせツイート好きだったのに残念だなと、勝手ながら思った。

子供嫌いマンと洋次郎、案件自体はしんどいが、まあよくある“物議を醸した話”だ。でも、それらを起点に広がる世界は無限地獄さながらで、底の見えないつらみの入り口みたいだ。どちらも賛同者が共感という棒でガンガン反対意見を殴り、当の発信者は「一部に誤解を与えたのは悪かったけど理解は得られたよね」的なことを言い放ちさっさと自己解決して。残された現場には禍々しい気持ちがわだかまったままだ。

この消耗戦シリーズ。一時的なしんどさどころじゃない。こんなの続いても明けない夜なんて果たしてくるかねという暗澹たる気持ちになりませんか皆さん。

少し前まで、ネット炎上とはよくも悪くもひとつの敵を決めつけ、そこに向かって有象無象が激情的または愉快犯的に集中砲火し焦土化するフローだった。それが最近の騒動は火の出や広がり方も下火もすべてすっきりしない。手打ちなき後味の悪さが、当事者や通行人にじんわりと染み込んで私たちの明日に付き添う。システムがそうさせるのか加担者に想像力がないのか知らんけど、悪意まで安直に拡散されてしまっているような今日このごろが、どうもいやだな。

これから先、ウェブのコミュニケーションはどうなっていくだろう。インターネットを手に入れて以来、私は新トピックが出るたびいつも期待を込めてそう考えていた。でも、最近はそれを不安まじりで考えている。

文学フリマ東京出店、36歳にして初めて人前に立つ記

以前、尊敬するマンのひとりが「あまりしてこなかったけど、おれも出ていけるようにならんとな」とテレビ出演のオファーを受けた。対人スキルが高く、年齢もいくつか上の彼なのに新しいことを自らやるなんてすげーなーと思った。おれはやらんけど、とも思った。

それから数年経って、今日はすこし彼と同じ気持ちだったかもしれない。

自分はもう36歳である。幸いにもいろんなことに恵まれた今に着地したが、相変わらず「いつか」は口ぐせのままだった。そうしてきたことで行くはずのイベントのハイライトを見逃し、楽しみにしてたはずの店が閉店し、会える人に会えなくなった。会えなくなった人のことは今でも「もしあのとき」と考える。風呂とか帰り道とかで発作的に自分が許せなくなってめちゃくちゃ手をつねったりする。

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塩漬けの下書きの束、みたいなものを20年以上続け、いい加減嫌になった。まとまった形にしたものを作り、ブースに立った。売ったのは夫視点のマタニティエッセイ。初めて売った人は覚えてる。2人目も覚えてる。とても緊張したのバレてないといいのだけれど。それから、30人位まではメモを取っていたけれど話し込んでいたらその後ろに人が、というのが続いて止めてしまった。でも話したことはだいたい覚えてる。

いろんな発見があった。Twitter見てます、という声かけ事案。「そこにいるのは人だった!」という不思議な感覚というか、おれは君のこと何も知らないのに、わざわざ流通センターまで来てくれるんだな?!というありがたい驚きがすごかった。はるばる来てくれた友人も同様。今あらためてしみじみうれしくなっている。本当にありがとうございました。大げさでもなんでもなく、この日来てくれた人たちのこと、今後の自分の励みになります。

中でも自分の作品を手にとって「自分もいま同じようにパートナーがいて、妊娠していて、こういう内容の本は心強い」と話してくれた男性が何人かいてくれたことは、性別で色がつくのを避けるために隠してきたインターネットのプロフィールを暴いてまでやった意味を感じられる、うれしい時間だった。おれの9ヶ月ぜんぶあげるからうまいことやるといいね!という切実な願いの中にいる。

これまではフリーライターとか美大生のでる単「おれいつか***やろうと思うんスよ」を言い続けてきた。「今はまだその時期じゃない」も続けて言った。下書きが溜まった。後悔もストレスも溜まる一方だった。そういう気持ちの限界と、家庭のタイムリミットが来たところに、わずかな出店料を払うことで抜け出す場をくれた文学フリマの敷居の低さすごい。36にしてようやく、とかそういうことも実はみじんも感じなかった。いつでもチャレンジできそうな場として、とてもおおらかな場所だぜ文フリ。

今、社員一同すぐやる課みたいなちょっとおもしろい会社で働いていて、そこに影響されたかもしれない。妻が最終的にすべて話してくれる人だから、そのよさもうまく働いたかもしれない。今日はそういういろいろと、積み積みの後悔がようやく立たせてくれた機会だった。

ためこむよりも出してみる、そうすることでクリアに先が生まれる。それがわかったので、これからはどんどん前に出てみたい。痛い目にも遭いながら、残りの時間でかなり研ぎたいと思う。そしてこれからはこういうことにいちいち喜んでいく。

来場者3600人の約2%にリーチした今回の上がりは約3000円。印刷代を聞く前に値付けはやめようという大反省を残しはしたが、初手にして得たものはかなり大きかった。今日は今日のことをやれました。

【ありがとう】5月6日の文学フリマ東京で妊娠発覚〜臨月現在までの夫婦録を売ってミルク代稼ぐんで!

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連休でお楽しみのところすみません。

書くことに夢中で今日まで告知をしていませんでしたが5月6日(日)に東京流通センターで開催される「第二十六回文学フリマ東京」に、本人名義(サークル名:インターネットいいよ)で出ます。…っふ、初の即売会参加でめちゃくちゃ緊張する上に、どうせならとワンマンワンアイテムで出ます。今から寂しくて死にそうだ、みんな来てくれ!

今回出品するのは「チャーミーグリーンに挑む」というエッセイです。2018年5月18日の出産に向けたお気持ち準備号と題して、妊娠がわかった瞬間の話から初期のエピソード、きちんと書いてなかったパートナーのことなど、インターネットに流したくないこと含めすみずみまで1冊に詰め込んだエピソード集です。以前結婚報告をしたときに初めて性別をきちんと定義したのも、この実体験を書くためでした。サンキュな!

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目次は確かこんな感じです。今回出る理由は色々ありますが、そのひとつにはご来場の皆さんから妊娠出産育児に関するいろいろな情報を集めて今後に活かしたいなというのもあります。ということで500円で売りたいですが、何らかの話を教えてくれた100円引きとかそういう座組でいこうと思う(麻疹の予防接種は済んでるから平気)。

昨年はじめてコミティアや文フリに行って「うわ!面白いな!」と思い、遅ればせながら自分も出してみたいと思った矢先に身の回りで大きなエピソードがあって、そりゃこうするっきゃないよなと思った次第です。同日に代々木公園のLGBTイベントで浜崎あゆみがフリーライブするのでめちゃくちゃ行きたいけど、たぶんずっといます。妻が破水したら本だけ置いとく。

今回のエッセイはいずれもっと整形し、「プレパパお役立ち情報満載☺」みたいな情報の塊として出したいですが、グルーヴ感は1stアルバムにこそ、ということで楽しく表白しています。

おためし版として、第1話だけnoteに上げてみました。こういうノリが15章続く感じです。

note.mu

 

浜崎あゆみが20年もayuしてた

「開演時刻が大幅に遅れ、大変申し訳ございません」と場内MC。16時ちょうど予定が20分過ぎただけでこんなに謝るなんて、よっぽど色んな人に叩かれてきたのだなあと勘ぐってしまう。4月8日の日曜日、浜崎あゆみ20周年ツアー「POWER of MUSIC 20th Anniversary」2日目の話。ちなみに行ったら偶然その日がデビュー記念日で、入場時に「アンコールのときにサプライズでayuに歌を贈ろう!」ってチラシをもらったけど、開演前からアンコールがあることを教えてくれる貴重な現場に感謝します。

www.oricon.co.jp

以前「今日び毎日どっかでアニバーサリーですよ」なんて誰かが言ってて「確かに」と思ったもんだけど、その中でも浜崎あゆみ歌姫生活20年にはさすがに驚いてしかたない。きっと多くの人がそう思っているように、私も彼女のキャリアがまさかこんなに続くと思わなかった。

2000年代前半はめざましテレビなんかで毎週のようにayuがなんらかの新記録を樹立した的な話ばかりしていた。もちろん実際に浜崎あゆみ楽曲がたくさんの人に届いてたのは間違いないけど、自分を含めてあの盛り上がりを「単純にバックの太さを存分に活かした圧の強いメディア展開」とアレルギー反応を示した人は少なくないだろう。

そして2010年代。ayu作品のリミックス盤やベスト盤が何枚出たかわからなくなってきた今日このごろ、彼女こそが日本を代表するアーティストだと主張する人はそんなにいない。どころかソースの怪しい週刊誌記事やSNSのコメントをかき集めたメディアが事あるごとにayuをバカにする。そういう扱いでOKな人になってしまったなあ…そんなことを考えていたら、私は「ayu今どうしているんだろう」という気持ちを抑えられなくなっていた。

 

さいたまスーパーアリーナはしっかりと人が入っていた。ayuの単独を観に来たのは2014年末の代々木体育館カウントダウン以来で、そのときも満員。ayu現場はいつも「実はこんなに支持している人がいる」という驚き混じりの再確認から始まる。なんでかは知らんけどガイジン日本語調の煽りアナウンスがあり、そのあと客席からayuコールが自然発生。しばらくそれを聞いていると会場が暗転してコンサートが始まった。

公演は暗闇の中でいきなり全力浜崎あゆみ声でのアカペラから始まって、それが甲高い歓声と乳幼児の泣き声を誘う。Ayuはゴング即デンプシーロールみたいな感じでキマりまくっており、アカペラからストリングス、ロックバンド、フリーキーな格好のコーラストリオを従えて1曲目にしてX JAPANのフィナーレみたいなダイナミック世界を即納した。しかもそこから「威風堂々」をブレンドして大河ドラマみたいな「evolution」になだれ込む荒業まで仕掛けてくるので、4月前半なのに早々で汗だくになってしまった。

その後もコンサートでは「A song for xx」「SEASONS」はじめ「おれでも知ってる!」みたいな曲がどんどこどんどこプレイされ、観客の過半数が挙げるピンク色のペンラとセットでいい思い出みたいなハイライトシーンをいくつも作り上げてくれた。当時まったくといっていいほど関心を持たなかった自分なのに、こんなに知ってる曲があるんだねというところに彼女の“国民的”を感じる。

個人的には納得いっていないところもある。今ツアーはayuの「立ち止まることなくまだまだ前進し続ける覚悟を決めた音楽人生」を表現したものだそうで、前述のオリコンも「“原点回帰”を意識し、ダンサー・パフォーマーたちの派手な演出は控え目に、バンド・コーラス・ストリングスを中心とした」と書いてたけど、全然そんなことなかった。コンサートはayuが3曲くらい歌ってから退場し5分くらいインターバル取ってを繰り返す、その幕間にダンサーパフォーマー大活躍という内容で、何が「演出控えめ」だ?しまいには浜崎あゆみじゃない歌(従兄弟の曲)をサポートボーカルがフルで歌うとかは「オッ誰現場です?」となった。

 

そんな「POWER of MUSIC(ただし本人とは限らない)」的な、MUSIC部分に異議ありの夜ではあった。だが、並々ならぬ「POWER」をひしひし感じた夜であった。

「Boys & Girlsこの部分まったく歌わないかー」って感じで当時と比べて明らかに歌唱力は落ちた2018年の浜崎あゆみが、よっちゃんはじめチームの力を借りながらゴリ押しでパフォーマンスを成立させようと奮進する姿、それは00年代の広告出稿よりもずっと好ましい“POWER”。繰り出される展開の読めなさは振り返ってなお痛快だった。楽曲を歌いながら高まりすぎて涙する浜崎あゆみ、あーりんも真似た独特の煽り方を繰り出し続ける浜崎あゆみ、四つん這いで獣のように荒ぶるぜ浜崎あゆみ…!ああ、ayuッッッッ!!!てなる。

今はなきチケキャンなど、中古チケット市場で浜崎あゆみの相場を眺めていると、そこに面白い現象が起きていることがわかる。だいたいいつも「売ります」が叩き売り状態で、「買います」はアリーナ前方を希望する異様な高額リストがある。「売ります」には転売気分マンの惰性が、「買います」はどうしてもayuを至近距離で感じたいという強すぎる欲求(と異常な金銭感覚)がそれを作り出すんだろう。実際にさいたまスーパーアリーナでの求心力は、単に大箱だからと片付けられない強さがあった。

浜崎あゆみは今も歌姫だ。世間がめちゃくちゃ彼女を面白がってるけれど、お前らや私が知らない日本のどこかで、今日も全力でayuたる玉座にいる。あるいは、Team Ayuのメンバーと一緒に浜崎はayuという箱物の世界を守っている(ちな現場ではダンサー個別にファンがついててビビった)。なりふりなんてもうかまってない。ファンのためかチームのためか彼女自身なのか知らんけど、浜崎あゆみが全身で守っているその世界は必見の価値がある。

やあほんと今こそ浜崎あゆみを観よう、20年もAyuしてる浜崎あゆみを。ayuのことバカにしてるお前らどうせ彼女が引退を宣言したらポエム書くんでしょう?なら今のうちに観てくれ。今回のツアーはヒット曲満載で「宇多田ヒカルのカバーが一番の目玉」とか言われてた頃の公演よりは絶対に間口が広いから!たのむぞ!と言おうと思ってたら5月6日に代々木公園フリーライブあるんですね。みんな絶対に行けよな、約束だ。

natalie.mu