グッドジョブ本人

いいものや面白いものがたくさんあふれていたよってことやんわりと残しておく

やっぱり足らなかったコミティア探訪 THE SECOND

GW後半、5月6日に行われた自主制作マンガ即売会COMITIA120に足を運んだ話。2月にも行ったから「さすがに四半期ペースでわざわざ行かんだろう」と思っていたのにこれだ。何か新しいものに会えるかもしれないというティアの魅力すごい。

前回は「手持ち2000円以下でいろいろガマンするハメに」「終盤入場で撤収ムードの会場」「カタログ買ってない=地図がなく手探り」というクリティカルなミスをやらかした反省があったので、今回は金と時間はなんとか確保したものの、突発で行くことにしたのでカタログ事前購入は断念した。りんかい線が天王洲、台場と停まるたびに乗客が“おれたち”だけに削ぎ落ちていく様子を楽しみながらビッグサイトに向かう。あの建物を前にすると、武者震いに近い気持ちが起こるのが好きです。

会場入り口でカタログを購入したら想像以上に分厚かったので、今回も読まずにトライすることにした。今回は「全ブース回って見つくそう」を目標に掲げる。

そんで最終的に購入できたものはこちら。

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前回以上にしっかり見たけれど、やっぱり全部はムリだった。というか毎回レイアウトが違うと知らず、前と同じルートで攻めたら真っ先に苦手なアダルトエリアに来てしまい、MPがケアルいけるか程度ぐらいまで下がったマンこと私。すごく混んでるのに各々が独自のルートを刻むので人とぶつかりまくることで見事にテンションが闇堕ちていった。これほんと慣れたい。

作品の方はというと、牛歩してたせいで目当てのにくまん子新刊やsuwasayakaのイラストエッセイが売り切れ。あと前回数百円分しか買えなかった松村(生活学習)の作品を買い占める気持ちで来たのに今回は出ておらず、前回多く感じたフリーハンド感のあるポップなイラスト作品がすごく少なかったのも残念。「どの人がどこにいるか」「今回は誰がいるのか」の予習は大事だと痛感した。てか雑誌じゃないわけだし一期一会なんだよなって改めてね…。

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よかった作品をいくつかピック。乳癌になった夢野かつき(鬼次元インチキ社)のエッセイマンガ「乳癌日記」は、カジュアルな描写ながらも具体的にガン発覚→治療の過程が記録されていてタメになった。その上、ここまでしっかり描き上げてくれることもそうだし、ヘビーなだけで話を終わらせてくれないユーモアや素直さっていう作者自身の身のこなしに愛着を感じてやまない。私は可能な限り会場に足を運んで、完結を一緒に喜びたいなと思っている。

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イラストレーター・スズキハルカの自作フリーペーパー集「うにぐらし」をまとめたもの。大好きな長谷川町子のエッセイマンガみたく、イラスト・テキスト・マンガがいい湯加減で紙面に肩寄せてて読むのが楽しい。静岡のローカルな飲食店情報ですら、話のうまい友人が説明してくれるみたいに「この人が薦めているのなら行ってみたいな」と思わせてくれる。

こういうスタイルのものを見ているとジュリー下戸のフリーペーパーも製本されねーかなと思うんだけど、こないだ「する」ってアナウンスがあったのでうれしい。

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ビレヴァン、やシンラにもグッズが出てるらしい村田エリーのイラスト集「NANKA IIKAN ZINE」。メシ×POPの着想一発で形にした感が小気味よかった。「食べるは好きだが品がなし」で馴染み深い私なので、DJみそしるとMCごはんみたく食べ物で遊ばれるとグッときてしまう。ていうかこの人おみそはんと組んでほしい。

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ツムラネオ(惰眠野郎ファイナル)「散歩の味がする」はコピー紙をホチキスで綴じた感じの本なんだけど、中身はユルっとしたキャラ×精緻なスケッチあるいは写真みたいな組み合わせで楽しませてくれる、アブストラクトな1冊で「ちゃんとした形のやつ作って!」と叫ばずにいられない。雑に見えるキャラもやり取りは軽妙で楽しい。

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マンガじゃないけど、こんなん買うしかなかった。何の変哲もない30代オッサン深神高広(みかんぱ清瀬店)がニコ動などでサバイバルやってみた動画を上げているカメ五郎に憧れ、ユーチューバーを志すという記録。パワポデザインとディスられそうなこの表紙のノリでトライアンドエラーの記録が語られていて、「再生数は…60回!!」とか太字で書かれているのには正直唖然としてしまう。

でも、「チャンネル登録者も始めて2桁に。」(ママ)なんて締める作者の今日現在のチャンネル登録者数なんと671なんですよマジか超増えてる。この行く末は見届けなきゃダメなやつだ。

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私はクリエイティブ職寄りのITにちょいちょいいる女装男子に対し「もっと磨きをかけてくれ」と叫びたくて仕方がないアカウントなんだけど、そもそもそういう方々の心理から知りたいな…というタイミングで目にしたので購入した上手詩織「女装文化の歴史(女装サブカルチャーの歴史)」。思ってた以上にギラついた実情が書かれており、セクシャルマイノリティの人セックスの話が唐突なのなんとかならんかーとぐったりしたものの、それをはるかに上回って好奇心を刺激する情報量にただただひれ伏す。全然読み切れてません。

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そして最後は、私をコミティアに連れてきてくれた(概念)にくまん子のイラスト集「泥の女通信」(名は体を表しすぎたイラストがいっぱいあって僕はこれのいくつかをTwitterで見かけたときになんていやな描写だ最高だしかもたくさんあるくださいくださいください大好き大好き大好きと叫んでたら先生が売ってくれたよやったね!!!)と、既刊本「よよの渦」。

「よよの渦」は男女の友情なんてねえ感じのくされ縁がこじれてるって内容で、私の好きなものがここに描かれすぎている恐ろしい1冊。私はこれを読んで何かえぐられてしまうような人のことが大好きだろうし、これを「ハハ、くだんね」と一蹴できる人も好き…!ということで試金石としていろんな人に読んでもらいたい作品ですこれ。