度肝を抜かれた。昨日のDOMMUNE「ECD IN THE PLACE TO BE:21世紀のECD」7時間スペシャル。スチャダラパーが「この曲(テーマPT.1)をECDに認められて世界が変わっていった」と話したのと同様に、YOU THE ROCK☆とDJ YASが、K DUB SHINEが、田我流がそれぞれ気持ちの入ったパフォーマンスを届けた。
でも、この日のベストアクトはECDのDJだった。
選曲はアニメ「さすがの猿飛」EDテーマ、ブレッド&バターのスティーヴィー日本語カバー、プリプリの「DIAMONDS」等ジャンプ力高めとか近田春夫関連にSUICIDEといった浸透圧高めで楽しませていく感じ。で、その中に、「また逢う日まで」の英語カバー、水戸黄門のテーマ、「タイムマシーンにおねがい」といった曲が放り込まれ、いちいち強力なインパクトを与えていった。
EDM DJのパフォーマンス、メンバーの欠けたステージ、ライブビューイングなどなど。私は鑑賞するときに「これ、本来の何%分くらい楽しめているだろうか?」などと考えることがある。もとのものから何チャネルか経由して刺激が薄まっちゃってやしないか、いやしてるだろうなという懸念だ。
なのに私は、この日のDOMMUNE、やせ細った体のECDによるDJプレイをテレビ越しに、まぎれもないライブとして観ていた。マイクを持ってすらいないのに、彼が7inchで回す“出会いと別れと人生”の歌はこの日、完璧に彼の歌だった。ていうか彼が歌っている「君といつまでも」のリミックスも回してた。改めて聴くと、この日のためにレコーディングしましたと言っても信じてしまうくらい、あの場で歌うべき必然性のあるリリックが刻まれているじゃないか。
レコードを無骨に切り替えながら、時折ブースから隠れるほど背を折って咳き込みながら、人様の歌に自分の言葉を憑依させたみたいなプレイ。「ライブ感のあるDJ」とは別種のパフォーマンスだったな、あれは。BASEさん、買いますんで復旧よろしくお願いします。