グッドジョブ本人

いいものや面白いものがたくさんあふれていたよってことやんわりと残しておく

コミティアの「あ!やせいの面白さがとびだしてきた!」感はYAMITSUKI

東京ビッグサイトで行われた自主制作マンガの展示即売会・COMITIA119に行ってきた。コミティアってのはプロアマを問わずでマンガ描きたちが自由で新鮮な個性を爆発させる舞台であり、マンガ読者にとっては宝の山でつまり出会いの場だよ!

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戦利品の一部はこちら。コミケ以来のビッグサイトは相変わらず奥までたっぷりと人、という具合で、A〜Z、あ〜わと東館にずらり並んだ長机を眺めていたら時間があっという間だったから西館の二次創作系イベント終わってたよね。もうめっちゃくちゃ大ボリュームでした。

一応ジャンルは区切られてるけど、それぞれのクオリティは玉石混交。売ってるモノもぜんぜん違っていて、マンガひとつとっても単にコピー機で刷ったものをホチキス留めしたものもあれば上質な紙でしっかり作り込んだものもあり、だからといってそれが作品の面白さに直結もしないっていう。編集者の介在しない、一人ひとりの作りたさが同じテーブル横一列に並んだ状態。隣では美大の友達がキャッキャ言ってにぎわってて、その隣では単身でうつむきながら「これを読ませに来たんですよ」と静かな闘志みたいなものをにじませる。このインディーな雰囲気が、自分の中に大なり小なり住んでる「作りたさ」に喝を入れてくれるんだわ。

あと、私は作家さんと何話していいかよくわからんから何もしてないけど、直接いろんなやり取りできる点も即売会ならではなんだろうなと思う。それに会場の隅には出版社のマンガ誌編集部が出張ブースを出していて、若き才能をチェックしてくれるらしい。商いらしさが薄くて、誰を大切にするイベントなのかがハッキリとしているところも素敵だ。

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面白かった作品をいくつか。松村(生活学習)の「ビーマイ別次元ラヴァー」と「再会」。机にはエロ描写のないBLラブコメ作品が並んでて(そういうのが好き)、どれも節回しなどが小気味よい。一冊一冊を立ち読みしてたらキリがなかったので、「次回また続きを!」と思い連作の上巻だけ購入した。

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しらいしかずやの「餃子のZINE」は、名は体を表わした感じの内容。味にフォーカスが当たりがちな食べ物を文化から捉えたとの説明通り、いろんな店の餃子の写真がひたすら並ぶだけの #AJIWAI 案件。

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中央線マンとしてはタイトル買いするしかない神山かめこ(画)、きた菊子(原案)の「中野区ウエストサイドストーリー」。日常の切り取り方が絶妙で、帰ってきて茶を飲みながら読んでしみじみと幸せを噛み締めた。でもこれ実は無料でもらえたやつで、本当は新作を持ってくる予定だったのかしら。お詫びとして写真右のペーパーもいっしょにプレゼントされた。

 コミティアで面白かったのは、こういう「間に合いませんでした」報告。会場内には落とした人が少なくとも10はいたんだけど、このサークルのようにペライチを持ってきたり、描き下ろしのサーセンイラストを用意したりとみんなあの手この手で申し訳なさを表現していて最高だった。商業作品だったら死刑だろうけれど、ギロチン台に上がる編集者もいないし自分でゲザる場としてもブースを使える。よくないけどいいぞ!!

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イラストものもいくつか購入。予想に反してosatsu(上)、樋口実季(下)のように洒落っ気のあるサインペン画っぽいタッチの作品もいくつかあって、お兄さんがたの裸や単眼萌え絵はまだ魅力に気づけてない身としてはうれしかった。

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で、まあ一番の目的はにくまん子の新作です。今作も「ストロベリー・オンザ・ショートケーキ」の真ん中あたりのようなディストーションありがとうございました。本当にありがとうございました。私は大好きです。

などなど。それらを回って「やらかしたなー」と思ったのは自分の準備不足ぶり。手ブラで行ってしまったんだけど、梱包なんてあるわけないんだからバッグとかを持参すべきだったし、冒頭に書いたように時間が…出展者がとにかく多いので事前にカタログを購入してアタリを付ければよかった。反省。

コミケやインターネットヤミ市で知った「あ!やせいの面白さがとびだしてきた!」感。それは今回のコミティアにもその魅力がすみずみに満ち溢れていた。私は今から次回が楽しみなんです。

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