グッドジョブ本人

丁寧に生きている記録

文学フリマ、襲いかかる文字をかきわけながらの交流体験

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「500円です。けれど、もし明日のことを教えてくれたら100円引きにしますよ」。唐突に言われて面食らったのと、まさに明日に対して最高にイヤイヤ期だったため拒否したんですよね。ってのを「ちょっともったいなかったかな」と反省するゴールデンウィーク最終日、文学フリマ東京の話。

コミティアで作り手直送の作品が面白いと知り、いろんな即売会に出向こうと考えてたら見つけたので出向いたのだけど、実際のところ文フリはだいぶ消耗した。まずマンガと違い、売られている文を検討するための試し読みが難しい。しかもティアと違って、きちんと製本されたものが多く1冊1冊もそれなり。そして、できる限りの検討を経て買ったものを読むと、いくつかはこれブログでいいのでは…という「テーマ<自分語り」のカルマ特盛りのきついやつだったりして。ようやく読み終えてこれを書いているけれど、ほんと疲れた。

全体的にそういう感じだったので、本のどうこうより冒頭のやり取りみたいなことを新鮮に覚えている。上の話はいつか床子@出版ユカコが匿名の13人に「最良の1日の食事」を尋ねたインタビュー集「別人帳」を買った際のもので、聞かれたときは正直「は?」と思ったけど、読み終えた今は納得がいく。選りすぐりの誰かの話が丁寧にまとめられた「別人帳」は、おそらく地道なヒアリングを重ね、厳選されたインタビューで形になったと思える読み応えのあるものだった。

ほかにも入手時に対話を求められたときがあった。寛野ひろみ@遊骨文庫の「不登校・ひきこもりからインターンへ 母が息子に学んだ六年半」は、ブースに行ったら筆者から「お代は結構です。その代わり、どうしてこちらに立ち寄って手に取ろうと思ったかを教えてくださいませんか?」と言われた。タイトルどおりのヘビーな内容を綴って世に放ったのには、おそらく彼女の「知ってほしい」「聞いてみたい」を満たしたかったからなんだろうなと思い、不思議な入手体験ができて新鮮だった。

即売会はとにかく苦手だ。人が多いのはいやだし、物色する様を見られるのが苦手だし。試し読みしながらがっかりするところなんて申し訳なくてしょうがない。それでも足を運ばせるものがあって、次回もきっとそういう感じになってしまうはずだ。