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グッドジョブ本人

丁寧に生きている記録

まずは体験から

現代ビジネスに中川淳一郎が寄せた「『これまでの記事を撤回したい…』沖縄で私はモノカキ廃業を覚悟した」という記事。イデオロギッシュ各位に辟易して色々放言したけど実際に沖縄でいろいろ見たら表題のような心境になっちゃったマンの話、わかるわーと思いながら読んだ。

体験は一番効率がいい。現場に訪れて五感で味わうことは何より響くし、実際に見聞きした人の話は文章テクやネットリテラシーなんて必要なしに届く。

今日みたいな日だってそう。有給消化中に行った東北で、カーナビに「次の信号を右折」と言われたけどそこには信号どころか道がなかったときの絶望感、バーでほがらかに酒を作ってくれてたお兄さんがトーンを変えず「あの日の景色を見て以来まだ日和山には登れないなー」と話したときの哀しさ、高台から眺めて知った波の威力は、今でも折に触れ鮮明に思い出される。

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もちろん肝心なのは行動とか執筆とかの「その次」なんだけど、動機も色濃くなるし、すべての始まりには「まずやってみる」が手順としては一番いいんじゃないだろうか。

きたがわ翔「NINETEEN」が復活すると聞いたおれは諭吉を手に立ち上がった

クラウドファンディングが活況です。このペースだとミュージシャンはもう普通にMV撮影費とかファンからの寄付ベースで制作するのが普通って世界になるん じゃないかとすら思います。コミックの事例もけっこう出てきたよねってことで

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 きたがわ翔先生、お久しぶりです!!!まじかーこんな再会かー。

私が鍵っ子だった小学生時代は、年の離れた兄姉の本棚とよく遊んでいたんだけれど、そこで清水玲子とツートップ張ってたのが彼でした。「B.B.フィッシュ」のエロ描写を隠れて読みながら、自分の奥底からじわりじわりと立ち上ってきた名前もなき湿り気のこと、説明はもちろん誰とも共有すらできなくて、今思うと本当に「きたがわァ!」てなる。

80年代に中学生で別マ作家としてデビューし、その後ヤンジャンに移った男性マンガ家・きたがわ翔。好きなアーティストは岡村靖幸!「反町隆史が主演の『ホットマン』の原作マンガ描いてた人だよ」と説明してようやくアラサー以上の人たちにだけわかってもらえるんだけど、違うんだよ。「ホットマン」なんて違うよ、全然違うよ。

彼の真骨頂は、おそらく自己投影と描きたいテーマが存分に発露できてたと思われるヤンジャン時代初期、80年代後半〜90年代前半の作品。「こじらせ」って言葉が初潮を迎えてすらいない頃からバンバン描かれてたナイーブな男子や身勝手な女子、デザイン校の出自が色濃い謎のポージング(彼の絵のあれこれは割愛)、自然と取り込まれてるバブルとトレンディドラマの雰囲気。「退屈な日常での出会いやら何やらを激情という概念で殴っていく」で片付けられる最近の青春マンガとは毛色の違う要素だけで構成されてる。たぶんだけど、いま逆にアツい。

彼の作品の中で2つオススメがありまして、ひとつが「C」というオムニバス作品。これはCすなわちCOMPLEXってことで、本作では4種類のコンプレックス物語が3、3、3、1巻で描かれてる。1〜3巻「男性失格」のインポお兄さん劇場と、4〜6巻の天才絵描きのルサンチマンストーリー「マゼンダ・ハーレム」こそきたがわ先生の真骨頂と呼びたい。「マゼンダ〜」なんてラストのカタルシスに長い間ときめいてたもんだから、モノを溜めない暮らし心がけてる今でも本棚にブッ刺さってるよ。

そしてもう1作こそ、今回のクラウドファンディングでやってる「19〈NINETEEN〉」ってトレンディ恋愛マンガの案件なんです。バブルの青学(✕セーガク)に代官山を足し、ゲイ店長がやってるケーキ屋でバイトするイケメン&気の小さい青年が女にモテるけど煮え切らない続きの中でポエムを編む最高最高最高の名作。これがヤンジャンで連載されてたとか本当に夢があるなー当時の日本。それが復活するってんだからもう即課金だよ今のおれ!説明文とか読むよ!

faavo.jp

30年ほど前、私の初めての週刊連載作品『19NINETEEN』が誕生しました。主人公のバイト先”do”という名前のケーキ屋を通して19歳の主人公とその恋愛を含めた日常を描いた作品の続編読切として、『19 FOREVER』は8年ほど前に発表されました。

割と評判が良くて、”この続編の連載を!”と編集さんに希望されていたのですが、なかなか自分的にうまく描けず、長いあいだ頓挫したままでした。

読切の主人公である久保田は四十歳過ぎてややくたびれた中年男になっており、結婚はしているが子供には恵まれておらず、体の不自由になった父の介護をしている、というかな~りリアルな設定になっていて、この久保田を主人公にしたエンタメ作品を連載で作ることは正直かなり難しかったのです。

描いても描いても自分的に納得がいかず、ずるずると年月だけが経ってしまいました。

それが最近になって、そうだ! こんなふうに描いてみたい! というひとつのアイディアが浮かびました。
それは脱サラしてケーキ屋の店長となった久保田のお店に成長したキャラクターたち(『19NINETEEN』以外の作品を含む)が入れ替わり立ち替わり訪れる、というものです。

ジュリアン・デュヴィヴィエの古いフランス映画、『舞踏会の手帳』みたいな感じで。

でも…皆様もお気づきの通り、これを現在商業誌で発表させてくれる場所はなかなかありません。

はっきり言ってこれは現在の読者様ではなくあの時代、私の作品をリアルタイムで読んでくださっていた読者様限定の作品だと言い切っても過言ではないからです。 

あっ、はい。これ、すごくジャッジが難しい案件じゃないすか…。

あの頃のマンガが加齢臭をまとって現在にバックアゲンした事例としては「東京ラブストーリーAfter25years」がすでにあって、あれまだ私は1話しか読んでないけど「ああ、こういう形のツーショットになるんだ!」って思えました。自然な感じや距離感が意外性ありつつ納得できたんです。でもなんか…ファンに向けられても…って思うんだけど……どうなんだろうな…!

実は私「ホットマン」あたりから彼の作品をほぼまったく読んでないです。キャラクターに共感できなくなって、絵だけが悪目立ちするようになっちゃって。数年前に「池袋ウエストゲートパーク」とか矢沢永吉「成りあがり」のコミカライズ描いてると知っていよいよ卒業した次第でした。だからクラウドファンディングでお声がけしてるって知り応援したくなったけれど、いや正直めちゃくちゃ迷った。しかも支援プラン1万円、7万5千円、100万円の3種類て…!先生、今バブルじゃないんだよ!CAMPFIREとかでいろいろ案件見てくれよ!!この値付けを見た瞬間にこっちは先生がよく描いてた「1ページまるごと使ってショックな表情」みたくなったわ!!!

 

と、思ったんですけどね。結論としては、わたし支援します。

 ヤバくないですか。久保田一至が今こんな感じなんですって。当時のほうが目元大人びてない?とかもちろんあるけど、なんか全然雰囲気違くて、すごくいいよね…それだけ一至にもきたがわ先生にもいろいろあって、今ようやく新しい物語を見せてくれそうやね……!ということでやりますよ私。やったろやないか。こないだ買った「HiGH&LOW THE MOVIE」豪華版Blu-rayですら超えなかった1万円の壁を、まだできあがってもいないものに出すんや。母ちゃん、あんたのお子さん大したもんや!今夜はジャンボ大盛りだ!!

実は100%自分の金で出費するクラウドファンディングはこれが初めてでして、支援に対し正直これだけ勇気が稼働するなんて思いもよらなかったなーという気づきも含め、2017年に私の人生がまた一歩進めた気がします。この先のことを報告するかどうかわかりませんが、2017年が少しでもいい年になるといいなと願って、第一報を終えます。

ぜんぜん関係ないけどこのツイートで「華麗なる食卓」のふなつかずき先生が熱めのリプを飛ばしていたので大変ぽかぽかしました。

IKEGAMI YORIYUKIの魔法的な普段

気鋭のイラストレーターIKEGAMI YORIYUKIの展示が横浜の白楽switch box あけ/たてで明日までやってるんだけど行ったほうがいいよ!という話をしたい。

きっかけはTwitterで回ってきたこの「海が見たかった海老」。温かみのあるタッチで描かれたユーモアに、ぐぐっと惹かれ、すぐに彼のアカウントをフォローしながらどんどん作品を味わっていった。

彼の作品は、その要素をなす掛け算が魅力だ。団地とクジラ、ビートルズと大衆食堂、水たまり越しのおとぎ。「そこらへんにあるものを素材にした非現実的な物語」「非実在のキャラクターによる庶民的な所作」って具合に、身近なものと想像上のものがいい湯加減で混ざり合っていて、観ていると親しみを抱いたり想像力に舌を巻いたりと忙しくなってしまう。

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西荻窪から1時間ほどかけてたどり着けた白楽。懐かしさのある商店街を2、3分ほど歩いた先に行列があって、1時間ほど待って4畳あるかないかのスペースに通してもらった。

6人ずつ15分入れ替え制のちんまりした空間に並ぶ作品。キャンバスに描かれた絵画の数々はやっぱり楽しかった。エリザベスカーラーを巻いたホワイトタイガーや火を噴くカラスで目玉焼きを作る様子など、冴え冴えした彼の作品が20作くらい。テーブルいっぱいに並ぶ料理、そこに潜む動物、テーブルを囲む子たちの表情と、絵1つとってもいろんなところに面白さが潜んでいる。しかも、その魅力はネットの画像ファイルでも堪能できると思ってたけど、実物にはさらに奥ゆかしさがあった。jpegからは読み取れなかった筆致や、キャンバスの縁にまで絵が続いている遊び心。彼自身の性格も作品ににじんでるのかなーと思い、ますますファンになってしまった。

一瞬のうちで「15分なんで」と店を追い出され、フワフワした夢見心地で再び商店街を歩けば惣菜屋の揚げ物の匂いがして、店の行列を目にした通行人は「これは何?」と不思議がってる。なんかそういう感じもIKEGAMI YORIYUKI的なーと思えるのだった。展示は3月5日(日)17:00まで。

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ある月の予定 2017〜 - switch box あけ/たて

「ラ・ラ・ランド」鑑賞して満ちた私は、今後も想像し続けよう

この世界の片隅に」を観て「毎日を大切にしよう」と小さくも確実に誓わせてくれたみたいに、私は受け手の生活に大なり小なり影響を与え、何かを気づかせてくれるものこそがいい作品だと思う。ということでさっき「ラ・ラ・ランド」っていういい作品を観てきた。

www.youtube.com

夢を追い、理想と現実につらみがすごい男女がひょんなことで出逢い、そして…なんて話の筋だけをあとで冷静に思い出してみると「ラ・ラ・ランド」は映画としては意外とフツーのストーリーやんて具合だし、「君の名は。」ばりに荒い試合運びのところもある。だけどストーリーに添えられたものが大活躍してくれたから、今こんなにも胸がときめきに満ちてしまっている。

ミュージカル映画ということで、私はストーリーの節々が「わーたしはー♪」てなるんだろうと思ってた。実際にそれはその通りで、作品の冒頭から「ヒャッハー!」ってなる痛快なパフォーマンスが胸を躍らせてくれるわけだし、キモにはいろいろなダンスが飛び出した。けれど今、余韻として残っているのは別のシーンだったりする。

ハリウッドを舞台にして夢に向かう若い男女が歌って踊る。そんなのどう考えてもキラキラストーリーで大団円に向かっていく要素ばかり。でも、魅力はそこじゃなかった。あんなにもあんなにもなストーリー運びの中で、「ラ・ラ・ランド」の2人は絶えずいろんな想像によって話を拡張させ、表現を広げ、幸せになっていく。先程書いたように2人はハリウッド映画の登場人物として100点のサクセスを歩めたかというと首をかしげる結末を迎える(※個人の感想です)けれど、そんな2人の人生を装飾する要素があまりにもブリリアントだから、私はこの作品に魅せられた。ほら、ただのデスロード往復劇がめっちゃ凄まじい作品になったやつとかあったじゃないすか。それと同じ、いかに膨らましたかという点において、「ラ・ラ・ランド」は優勝してた。

生活はうまくいかずグレー、もしくは繰り返しによって淡白になりがちだけど、想像力1つあれば、ありとあらゆる形でカラフルに彩ることができるのかもしれない。この作品はそのガイドブックのようなものになってる。そしてこれは私の実生活にも活かされよう。もうおれは「カルテット」観ても水曜日に落ち込まないぞ!

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そういえばの追伸。「ラ・ラ・ランド」の音楽に痛快ウキウキしながらネリー・マッカイっていうアメリカの女性シンガーソングライターを思い出しました。歌の中でコミカルに感情が織り込まれてる感じは割と同じなんじゃないだろうか。

itun.es

小沢健二の古さ、インターネットの良さ

先週行われた音楽ナタリーの小沢健二×大山卓也のチャットが面白かった。

natalie.mu

2人がリアルタイムに文字を入力して交流するのだけれど、話題の切り換えタイミングなどやり取りがちょいちょいズレる。メッセンジャーアプリで「だれそれが入力中」というダイアログに気付いてそれを待ったら相手も黙って…みたいな噛み合わなさを夢中で見てた。

私は2017年になってもまだオザケンをちゃんと知らない。球体が奏で始めたあたりから入り口を見失い、そのうち所在もよくわからなくなり、久々にお見かけしたと思ったらずいぶん崇高な存在になりはってアアという具合で。そのおかげで、私は彼のことを「私の好きな人がみんな好きなレガシーおじさん」として見ている。おじさんのは配信で聴けないし、情報発信の仕方がいつも回りくどい。そして今回はCDショップ泣かせなシングル突然発売とか、Mステでポロリとフジロック出演のことを話すとか…あざとい!ザ・Web1.0なチャットも…おれ、どうにかなりそうだったよ!

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こういう、一方的にチャットから出るんだけど最後は自分だけのスペースにする感じとかな!でも、そんなオザケンの“アーティストシップ”に「出、出たー犬は吠えるがキャラバン進奴ーーー!!!」てなりつつ、やっぱこっちのほうがアーティストとしては理想だなーと思った。だってもし私が彼の音楽を聴いてたとしたら、オザケンのこの絶妙なファンのくすぐりかたに触れて心を乱され続けたいと思うもの。サプライズと憧れを適度に放り込まれたら、ずっと京極さんみたいな気持ちでいられそうじゃないですか。あとおれ、好きだったラッパーのツイート見て好きじゃなくなった経験あるからほんと「必要以上にステージ降りてくんな!」っていつも思ってて。だから、この小沢健二の“戦略”は、すごくいい距離感から欲しいものだけを届けてくれる素晴らしいデリバリーサービスだなあと。

個人的に、インターネットは00年代のWeb2.0病にやられたあたりから結構おかしくなった気がする。届け手と受け手がしっかり区分けされてたのが、いつのまにかステージ上で輝いてた存在マンがエゴサして片っ端からいいねするとか、アーティスト以前に直接の知り合いでもないような人がいきなり不躾なコメントを投げるとか。個人の感想ですが、マジなんなんだろう。

きっと小沢健二という人もそういうことの厄介さを知っていて、だから今さらTwitterアカウントを開設しましたなんてやんないだろう。SNSみたいなネットの相互性はクローズドな範囲でしか利用せず、彼にとってのインターネットはあくまで90年代的な公式ホームページ的活用に留めてファンを魅了していくはずだ。そんな彼にいいねボタン鬼押しして、2017年のインターネットをこれからも眺めていきたいです。あと今年こそ聴きます、ちゃんと。

コミティアの「あ!やせいの面白さがとびだしてきた!」感はYAMITSUKI

東京ビッグサイトで行われた自主制作マンガの展示即売会・COMITIA119に行ってきた。コミティアってのはプロアマを問わずでマンガ描きたちが自由で新鮮な個性を爆発させる舞台であり、マンガ読者にとっては宝の山でつまり出会いの場だよ!

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戦利品の一部はこちら。コミケ以来のビッグサイトは相変わらず奥までたっぷりと人、という具合で、A〜Z、あ〜わと東館にずらり並んだ長机を眺めていたら時間があっという間だったから西館の二次創作系イベント終わってたよね。もうめっちゃくちゃ大ボリュームでした。

一応ジャンルは区切られてるけど、それぞれのクオリティは玉石混交。売ってるモノもぜんぜん違っていて、マンガひとつとっても単にコピー機で刷ったものをホチキス留めしたものもあれば上質な紙でしっかり作り込んだものもあり、だからといってそれが作品の面白さに直結もしないっていう。編集者の介在しない、一人ひとりの作りたさが同じテーブル横一列に並んだ状態。隣では美大の友達がキャッキャ言ってにぎわってて、その隣では単身でうつむきながら「これを読ませに来たんですよ」と静かな闘志みたいなものをにじませる。このインディーな雰囲気が、自分の中に大なり小なり住んでる「作りたさ」に喝を入れてくれるんだわ。

あと、私は作家さんと何話していいかよくわからんから何もしてないけど、直接いろんなやり取りできる点も即売会ならではなんだろうなと思う。それに会場の隅には出版社のマンガ誌編集部が出張ブースを出していて、若き才能をチェックしてくれるらしい。商いらしさが薄くて、誰を大切にするイベントなのかがハッキリとしているところも素敵だ。

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面白かった作品をいくつか。松村(生活学習)の「ビーマイ別次元ラヴァー」と「再会」。机にはエロ描写のないBLラブコメ作品が並んでて(そういうのが好き)、どれも節回しなどが小気味よい。一冊一冊を立ち読みしてたらキリがなかったので、「次回また続きを!」と思い連作の上巻だけ購入した。

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しらいしかずやの「餃子のZINE」は、名は体を表わした感じの内容。味にフォーカスが当たりがちな食べ物を文化から捉えたとの説明通り、いろんな店の餃子の写真がひたすら並ぶだけの #AJIWAI 案件。

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中央線マンとしてはタイトル買いするしかない神山かめこ(画)、きた菊子(原案)の「中野区ウエストサイドストーリー」。日常の切り取り方が絶妙で、帰ってきて茶を飲みながら読んでしみじみと幸せを噛み締めた。でもこれ実は無料でもらえたやつで、本当は新作を持ってくる予定だったのかしら。お詫びとして写真右のペーパーもいっしょにプレゼントされた。

 コミティアで面白かったのは、こういう「間に合いませんでした」報告。会場内には落とした人が少なくとも10はいたんだけど、このサークルのようにペライチを持ってきたり、描き下ろしのサーセンイラストを用意したりとみんなあの手この手で申し訳なさを表現していて最高だった。商業作品だったら死刑だろうけれど、ギロチン台に上がる編集者もいないし自分でゲザる場としてもブースを使える。よくないけどいいぞ!!

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イラストものもいくつか購入。予想に反してosatsu(上)、樋口実季(下)のように洒落っ気のあるサインペン画っぽいタッチの作品もいくつかあって、お兄さんがたの裸や単眼萌え絵はまだ魅力に気づけてない身としてはうれしかった。

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で、まあ一番の目的はにくまん子の新作です。今作も「ストロベリー・オンザ・ショートケーキ」の真ん中あたりのようなディストーションありがとうございました。本当にありがとうございました。私は大好きです。

などなど。それらを回って「やらかしたなー」と思ったのは自分の準備不足ぶり。手ブラで行ってしまったんだけど、梱包なんてあるわけないんだからバッグとかを持参すべきだったし、冒頭に書いたように時間が…出展者がとにかく多いので事前にカタログを購入してアタリを付ければよかった。反省。

コミケやインターネットヤミ市で知った「あ!やせいの面白さがとびだしてきた!」感。それは今回のコミティアにもその魅力がすみずみに満ち溢れていた。私は今から次回が楽しみなんです。

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正しいのはどっちだ問題20周年記念

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中学時代、私は気まぐれベースで竹刀を振る幽霊剣道部員だった。夏休みとかまで学校なんて行きたくないし、胴を外された時の痛みとかは絶望的だし。そんな調子で、2年間はやんわり所属スタイルで過ごしていた。

3年生になってすぐだったか、なんでもいいから殴らんといかん程度にムシャクシャしたので武道館に足を運んだ。そしたらその日、なぜか当たり稽古でうまい具合に面胴小手がどんどん決まり、そのままいきなり剣道が面白くなった。剣道部は、文化部の少ない母校において、定員にあぶれた愚鈍マンの巣窟。なので真面目に取り組みさえすればどんどん勝てるようになってくる。これ実力的にはいけるんじゃと思い、同じくらいの熱量だった先鋒の子に「試合して勝った方が団体戦の大会にってのでどうです?」と聞いて即OKをもらい、即勝った。

嬉々として先生にその旨を報告しに向かう。職員室で、ルコックかFILAを着たチンパンジー的な竹田先生に「自分はいま剣道がすごく楽しい」「当事者間では合意に至った」とプレゼンした。猿よりも若干白目が多いかな的な竹田は、表情をちっとも変えず話を最後まで聞いて言った。「お前を大会には出さない。だってこれまでぜんぜん部活に来てなかったじゃないか」。

先日、誕生日を迎えた。この年ながら、今も「また1つ大人に」と実感し、その都度、あの職員室を出て即トイレに籠もって泣きじゃくってた自分にどんな言葉をかけたらいいのかしらとも考える。実力がモノ言う派、正しさは重要視すべきだ派。誰が、どちらが正しいのか、まったく答えが出なくて、今年も相変わらずだったな。