グッドジョブ本人

こんなにも世の中には良いものや面白いものがあふれていたということをやんわりと残す

浜崎あゆみが20年もayuしてた

「開演時刻が大幅に遅れ、大変申し訳ございません」と場内MC。16時ちょうど予定が20分過ぎただけでこんなに謝るなんて、よっぽど色んな人に叩かれてきたのだなあと勘ぐってしまう。4月8日の日曜日、浜崎あゆみ20周年ツアー「POWER of MUSIC 20th Anniversary」2日目の話。ちなみに行ったら偶然その日がデビュー記念日で、入場時に「アンコールのときにサプライズでayuに歌を贈ろう!」ってチラシをもらったけど、開演前からアンコールがあることを教えてくれる貴重な現場に感謝します。

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以前「今日び毎日どっかでアニバーサリーですよ」なんて誰かが言ってて「確かに」と思ったもんだけど、その中でも浜崎あゆみ歌姫生活20年にはさすがに驚いてしかたない。きっと多くの人がそう思っているように、私も彼女のキャリアがまさかこんなに続くと思わなかった。

2000年代前半はめざましテレビなんかで毎週のようにayuがなんらかの新記録を樹立した的な話ばかりしていた。もちろん実際に浜崎あゆみ楽曲がたくさんの人に届いてたのは間違いないけど、自分を含めてあの盛り上がりを「単純にバックの太さを存分に活かした圧の強いメディア展開」とアレルギー反応を示した人は少なくないだろう。

そして2010年代。ayu作品のリミックス盤やベスト盤が何枚出たかわからなくなってきた今日このごろ、彼女こそが日本を代表するアーティストだと主張する人はそんなにいない。どころかソースの怪しい週刊誌記事やSNSのコメントをかき集めたメディアが事あるごとにayuをバカにする。そういう扱いでOKな人になってしまったなあ…そんなことを考えていたら、私は「ayu今どうしているんだろう」という気持ちを抑えられなくなっていた。

 

さいたまスーパーアリーナはしっかりと人が入っていた。ayuの単独を観に来たのは2014年末の代々木体育館カウントダウン以来で、そのときも満員。ayu現場はいつも「実はこんなに支持している人がいる」という驚き混じりの再確認から始まる。なんでかは知らんけどガイジン日本語調の煽りアナウンスがあり、そのあと客席からayuコールが自然発生。しばらくそれを聞いていると会場が暗転してコンサートが始まった。

公演は暗闇の中でいきなり全力浜崎あゆみ声でのアカペラから始まって、それが甲高い歓声と乳幼児の泣き声を誘う。Ayuはゴング即デンプシーロールみたいな感じでキマりまくっており、アカペラからストリングス、ロックバンド、フリーキーな格好のコーラストリオを従えて1曲目にしてX JAPANのフィナーレみたいなダイナミック世界を即納した。しかもそこから「威風堂々」をブレンドして大河ドラマみたいな「evolution」になだれ込む荒業まで仕掛けてくるので、4月前半なのに早々で汗だくになってしまった。

その後もコンサートでは「A song for xx」「SEASONS」はじめ「おれでも知ってる!」みたいな曲がどんどこどんどこプレイされ、観客の過半数が挙げるピンク色のペンラとセットでいい思い出みたいなハイライトシーンをいくつも作り上げてくれた。当時まったくといっていいほど関心を持たなかった自分なのに、こんなに知ってる曲があるんだねというところに彼女の“国民的”を感じる。

個人的には納得いっていないところもある。今ツアーはayuの「立ち止まることなくまだまだ前進し続ける覚悟を決めた音楽人生」を表現したものだそうで、前述のオリコンも「“原点回帰”を意識し、ダンサー・パフォーマーたちの派手な演出は控え目に、バンド・コーラス・ストリングスを中心とした」と書いてたけど、全然そんなことなかった。コンサートはayuが3曲くらい歌ってから退場し5分くらいインターバル取ってを繰り返す、その幕間にダンサーパフォーマー大活躍という内容で、何が「演出控えめ」だ?しまいには浜崎あゆみじゃない歌(従兄弟の曲)をサポートボーカルがフルで歌うとかは「オッ誰現場です?」となった。

 

そんな「POWER of MUSIC(ただし本人とは限らない)」的な、MUSIC部分に異議ありの夜ではあった。だが、並々ならぬ「POWER」をひしひし感じた夜であった。

「Boys & Girlsこの部分まったく歌わないかー」って感じで当時と比べて明らかに歌唱力は落ちた2018年の浜崎あゆみが、よっちゃんはじめチームの力を借りながらゴリ押しでパフォーマンスを成立させようと奮進する姿、それは00年代の広告出稿よりもずっと好ましい“POWER”。繰り出される展開の読めなさは振り返ってなお痛快だった。楽曲を歌いながら高まりすぎて涙する浜崎あゆみ、あーりんも真似た独特の煽り方を繰り出し続ける浜崎あゆみ、四つん這いで獣のように荒ぶるぜ浜崎あゆみ…!ああ、ayuッッッッ!!!てなる。

今はなきチケキャンなど、中古チケット市場で浜崎あゆみの相場を眺めていると、そこに面白い現象が起きていることがわかる。だいたいいつも「売ります」が叩き売り状態で、「買います」はアリーナ前方を希望する異様な高額リストがある。「売ります」には転売気分マンの惰性が、「買います」はどうしてもayuを至近距離で感じたいという強すぎる欲求(と異常な金銭感覚)がそれを作り出すんだろう。実際にさいたまスーパーアリーナでの求心力は、単に大箱だからと片付けられない強さがあった。

浜崎あゆみは今も歌姫だ。世間がめちゃくちゃ彼女を面白がってるけれど、お前らや私が知らない日本のどこかで、今日も全力でayuたる玉座にいる。あるいは、Team Ayuのメンバーと一緒に浜崎はayuという箱物の世界を守っている(ちな現場ではダンサー個別にファンがついててビビった)。なりふりなんてもうかまってない。ファンのためかチームのためか彼女自身なのか知らんけど、浜崎あゆみが全身で守っているその世界は必見の価値がある。

やあほんと今こそ浜崎あゆみを観よう、20年もAyuしてる浜崎あゆみを。ayuのことバカにしてるお前らどうせ彼女が引退を宣言したらポエム書くんでしょう?なら今のうちに観てくれ。今回のツアーはヒット曲満載で「宇多田ヒカルのカバーが一番の目玉」とか言われてた頃の公演よりは絶対に間口が広いから!たのむぞ!と言おうと思ってたら5月6日に代々木公園フリーライブあるんですね。みんな絶対に行けよな、約束だ。

natalie.mu

アイドル現場に向かったら、そこはtipToe.という幻の高校生活だった

間もなく子どもが産まれる。親としての自覚はまだない。ただ、先に産まれて生活してる立場としては絶対に教えたいことがいくつかあって、その中でわりと切実なものは「男子校にだけは行くな」ってやつ。これは具体的な助言として自信を持って言える。

学園祭のあと校庭でキャンプファイヤーだと?そのあとクラスでカラオケ打ち上げだと?あれあのふたりどこいっただと?みんなーあいつら階段で告白してるぞだと?なにそれもう本当にルサンチマンだ。もちろん異性の目がないことでできた楽しいことも沢山あったけど、やっぱり長年社会生活を営まねばならぬ人生において、血気盛んな頃の隔離生活はあまりに不自然だ。ああ、もし人生をやり直せるのなら共学を出たい……!そんな気持ちでいたら、アイドル現場にそれがあったよ。

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tipToe.|アイドルグループ「tipToe.」公式ウェブサイト

背伸びを意味するグループ名tipToe.(ティップトー)。「みんなで青春しませんか?」がコンセプトの等身大センチメンタルアイドルグループで、メンバー任期は3年間の6人組だ。

もともとは先日のアイドルネッサンス解散の喪失感を埋めるべくTwitterで「なんかこういうのないか!曲がよくてYouth感がすごいやつ!」などと求めていたら2つレスがあり、2名とも彼女たちをオススメしてきたので聴いたら即日のめりこんだのがきっかけだ。楽曲は、四分打ちハイハットの疾走感ロックに□□□や相対性理論のようなインテリ譜割り、チップチューンなどの00年代要素が混ざりあうヴィレヴァンポップスが多い。そこに、転調やポエトリー気味のラップがスパイスとしてもぐりこんでいる。全然気が抜けない佳曲ばかりだ。

1stアルバム「magic hour」がリリースしたばかり、まだ10曲ちょいしかないレパートリーなのにこんなに…ありがてえ…!ってなる日々の中で2度目となるワンマンがあると知り、4月14日に渋谷DESEOで行われた 単独公演「blue moment」に行った。

ライブは最近グループに導入されたバンドセット30分、バンドなしパフォーマンスも同じくらいで、アンコールにはアコースティックバージョンも挟むという盛りだくさん構成。動員100人程度のいわゆる地下アイドル単独は初めてで少しドキドキしつつ、割と荒い進行やPAが面白かった。

で、そこで僕は見てしまったのだ。ステージの上に、僕が体験できなかったはずの世界があって、それをこの目で見てしまったのだ。

学校は、年齢と地域、あと偏差値くらいでしかグルーピングされない。tipToe.はそんなカルチャーフィルターのない箱物社会そのもの。中西里菜やまぐちりこ的パーツはっきり系ルックスでMCもアイドル現場的な花咲なつみがいて、その隣に優等生的な都塚寧々がいるとかでtipToe.はキャラクターが全員違う。グループアイドルって同じスタジオでトレーニングしてるとか同じ釜の飯喰って活動してるとかで均一化されそうなものなのに、それをほとんど感じなかった。

6人ならではのフォーメーションを活かしたパフォーマンスは、1人ひとりを見てるとそれぞれ得意分野や実力がかなり違っていそうで、ステージ上で見せる熱量もさまざま。アンコール以外ナマだったであろう歌声もラピスラズリのぶつかり合いだった。でもそれが不統一感となってモヤモヤすることはなく、各自いろんな想いを抱きながらマイペースに過ごす、学校の日常感として観る側を楽しませてくれた。こんなアイドルグループがあるのか…!

アイドル単独って最後はひとりずつエモいこと言って涙でグズグズになりながら「ありがとうございましたーーーー!!!」と幕を下ろすみたいなイメージだったけど、そういうカタルシスはなく穏やかに閉幕。いやこれ、いいぞ。これから露出回数を増すことでどんどん洗練されていきそうだけど、どこかにずっとこの空気を捨てきれないまま活動してほしい。tipToe.のクラスメート感は抜群。こういう体験を僕はずっと待っていたんだ。

Juice=Juiceインタビュー掲載報告と「本人」の由来

音楽誌ラティーナ創刊66年記念号の特集「中南米を旅する」にて、Juice=Juice宮崎由加宮本佳林段原瑠々の3人にインタビューしました。その中から昨年のワールドツアーについて現地エピソード中心に記事化しています。ハロプロ現場ではなくインタビュー。初めてでしたのでよかったです(生きていて)。

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さてこの「文:本人」クレジット。ブログやSNSではなく商業媒体に載って改めてめんどくさいなーと思い始めています。今回だとあたかもJ=Jが書いたかのようだね!関係各位にお詫びします。

私がTwitterをやり始めたとき、当初その名前は向井理でした。でも「ゲゲゲの乳房!」とか好き勝手にツイートしてたらTwitter警察からすぐさま怒られ、慌てて「向井理bot)」に付け替えた次第です。そして4月1日だけ「向井理(本人)」を名乗り、4月2日からは「せんとくん(本人)」「朝バナナ(本人)」なんて具合に、そのときそのときのバズワードでやらせていただいたと。

それから2015年、長渕剛がオールナイトライブをした日に私は「長渕剛(本人)」を名乗って見たものだいたいすべてを好き放題スマホに打ち込んでいました。そのとき襟足の長い人から「お前なに剛とか言って調子こいてんの?」といった叱咤激励をいただき、はわわと「本人」だけにしました。そして今日の私・本人に至ります。

 先日この記事を見たときに、当時好きだった人がいつまでも私のこと本人と呼んでいたのがトキンってなったなと思い出したりしました。最近は知らんけどいつまでも元気でいてほしい。

そんな思いはあまり込められていませんが、本人が書いた記事が載っていますラティーナ5月号、4月20日発売です。かしこ。

https://www.amazon.co.jp/dp/B07B5WB9KB/

どんどん変わっていくceroが楽しみでなあ

ceroが5月16日にリリースする4thアルバム「POLY LIFE MULTI SOUL」のプレビュー公演的な2DAYSライブが4月12、13日にあった。

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 両日ともに新曲からスタートしたライブは、2曲目もまたその次もという調子で、まだ世に出ていないアルバム曲が次々に飛び出す。披露された新曲群は前作の都会的な黒い音からまたひとつ色を変え、前作の参照元がニューヨークならば今作ではアフリカに到達したかのような印象のルーツさらに深掘り感があった。

ポリリズムや呪術的なアンサンブルwithコーラスといった大陸的なものとか、ジャマイカな裏弾きのカッティングギターにルンバなアコギとか。果ては個人的にうれしかったハウスの片鱗まで見えて…そうした数々の音楽を、彼らは今の感覚で着こなしていた。ceroの懐はさらに深くなり、それを聴く私(達)はまたもや気持ちよかった。

 

今回の変化に至ったのはceroの3人を支える“第4のcero”達が大きく作用しているのだろう。3rd以降から準レギュラー化した古川麦小田朋美、角銅真実によるサウンドの貢献度はライブを見れば明らかで、昨年から観るライブ観るライブでどんどんアンサンブルを豊かにしていった。

そんなメンバーで作り上げたであろう新曲はとても先進的だったし、前作の収録曲「Elephant Ghost」なんかも先日はますます生き生きとして。髙城晶平も酸素カプセルから飛び出したイアンブラウンばりにステージを動き回って縦横無尽の心地が見えた。

 

ceroというグループは読めない。ライブはもちろん、そもそもの音楽性もそうで、レトロな音を出すニューカマーだねーと1stアルバム「WORLD RECORD」を愛聴していたらアルバムごとにアーバンだネオソウルだと音の顔つきが変わり、プレイヤーも4人6人8人ときどき2桁って感じで増減する。「彼らと言えばこれだ」を説明しづらい。時間とともに嗜好が変わるリスナーと同じくらいのスピードで新陳代謝していく。

その課程で、必ずしも成功とは呼べない転び方を見せるライブなんかもある。昔からずっとライブを観てきた中で、うるさがたの友人と「この日はなんだかよくわからなかったね」なんて終演後に話しながら帰るみたいなライブも、下手したら3回に1回くらいはあった。ただ昨年からは外しのないステージに出くわす機会が増えてきたのが明らかなので、きっと本人たちも気持ちいいモードで活動しているんだなあと思う。

 

いろんなアーティストのコンサートを観て過ごしていると「あの人達の曲を聴いて汗だくにハシャぎたい」「彼女の歌にしっかりと体内を洗い流されたい」と、各人になんとなく目的を見出してしまってることが多い。でもceroに関してはいまいちそれが定まらない。かんたんに言えば知的好奇心を満たしていただいています、だけど…それにしたって初日のCTCは突き抜けて楽しかったし、2日目のOrphansでは「生命(いのち)…!」と近頃の自分や新しい命に想いを馳せてしまったし。2日間、とてもいいライブだった。

次はいよいよアルバムも楽しみになる。歌詞の読み解きも忙しくなろう。聴き込んでからのライブも(出産後だから行けないと思うけど)また楽しかろう。こんな調子でceroをとても頼もしい存在として見ている2018年だ。

アイドルに感謝するネッサンス!! #アイドルネッサンス

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過去現在の名曲をパフォーマンスによってルネッサンスさせることでおなじみアイドルネッサンスの解散ライブ「ヨコハマで感謝するネッサンス!!」を観た。

supercell「君の知らない物語」のカバーを聴いてマジか!と感激した昨年のTIFから2度目のライブ。今回も岡村靖幸(2曲!)だ大江千里だBase Ball BearだKANA-BOONだと青いカバーたちで楽しませてくれた。渋谷クアトロの横幅2倍って感じの会場も、ステージとファンとの距離を近づけててすごくいい。後方で観ていたら、みずみずしさあふれるメンバーと熱量ヤバいファンのぶつかり合いの景色にワクワクしてしまった。

もったいないなあ、本当にもったいない。こんなにいいライブ、いい空間がもう観られないだなんて、とても信じたくない。

どうしても見届けたいという妻に付き添う形で来た身分でアレだけど、白い服着た少女たちが歌って踊る時間が1時間2時間と過ぎていく中で、どんどん彼女たちのことを好きになっていった。その高まりは同時に解散への納得いかなさを育んでいく。ライブ中なのに「おれの友達の岡村ちゃんクラスタで彼女たちを知らないって人絶対にいるわ!懐古マンが蔓延するこの美しい国で彼女たちが成功しないのはひとえにマーケティングが失敗したって話でしょ!!担当者大丈夫?あの子らに面通しできそう?」とかいちいち考えてしまった。解散を決めたのも大人だろう?などと。

そういったことも含めて、ああ、これがアイドル現場なのだと知る。MCで石野理子(推し。理由はTwitter)らが4年間を「青春」と言っていたけれど、本当その通りだと思う。メンバーほぼ全員が「うれしいこともつらいこともあった」と振り返る、そんな彼女たちのアイドル活動を、私たちは見せてもらえてるんだなと。ラストという特別さも、解散原因となったであろう課金に協力できなかった悔しさも手伝って、この日観ていたものの一分一分が貴重で、まぶしかった。大好きな「君の知らない物語」は、もはや彼女たちの曲なんだと錯覚してしまうくらいに。メンバーの皆さん、青春のひとときを本当にありがとうございました。

でもアレですよアイドルネッサンスの皆さん。私は大人だから知ってるんですけど、グループって再結成とか全然できます。10年以上経ってからバンドが再結成してもまったくもってカッコよかった、むしろ味わいが変わって別の魅力まで出てきたなんてザラです。10年後くらいに皆さん自身が自分たちをルネッサンスできるんです。僕はいつでも待ってるんで、いつかまた!よしゃす!

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安室奈美恵ラストツアーを経てようやく終わった90年代

安室奈美恵の引退前ラストツアー「namie amuro Final Tour 2018 Finally」初日公演のチケットが当たったので帰省を兼ねてナゴヤドームに足を運んだ。詳細は避けるが言わずもがなで、全打席ホームランで勝ちに来るめちゃくちゃ豪華な選曲っしたわー。

TKド直球世代の私はこの日、コンサート中にその頃の曲が始まると当然冷静さを失ったり「その頃のおれといえば…」と思い出検索が始まったりで意識がたびたびトんでた。やあカラオケで本当たくさん歌ったもんだよな…!って心を揺さぶって、2時間半があっという間だったな。

それにしても、生きたTKサウンドを聴けるのって、安室ちゃんのライブがたぶん最後だろうな。もちろんTRFは今もライブしてるし、華原朋美だってまたステージで思い出の歌を披露するはず。でも、第一線のステージで現役感をもってTKを歌っているのは、もはや安室ちゃんだけなんだと、20代の頃となんら変わらない見た目でキビキビ踊る彼女を見て痛感した。

私は20代を過ぎた頃から昔話のうまみを覚え、年々ズブズブにハマっていった。TK縛りのカラオケは懐かしく楽しい。でも彼女は今回いさぎよい幕引きを宣言し、その歴史ある楽曲をなんとも力強く演ってくれた。そういうものを目の当たりにして、ノスタル爺はビンタされたような気分だ。懐かしさに腰掛けるのもそろそろ終わりにしないとなって思わずにいられない現役のパフォーマンスがドームで展開された。

自分にとって90年代といえば小室哲哉で、彼は一応引退し、そのトップシンガーもマイクを置く。それまでズルズルと続いた私の90年代は、2018年に終わりそうだ。

ところで、意外にも会場は我らおっさんおばさんだけじゃなかった。20代は当然、下は園児クラスまでの幅広い客層で。そして、今回の選曲は誰もがそれぞれ刺さるものを聴けただろう内容だった。世代によって想像するものが違ってくるだろう「あの頃の安室ちゃん」全種類出てきたよねってステージは、私ですら新鮮さも存分に味わった。ラストツアーなのに。

そんな意欲的な姿もファンの求めてるものもすべて丁寧に届けてくれた彼女の誠実さに感服だ。「新卒から50前くらいまで働くようなもんだもんね」って例えられる25年は相当長いけど、その期間まったくスキがなかった安室奈美恵ったら、本当にすごいものだよ。

愛欲全盛り劇場で藤原紀香が泳ぐ泳ぐ!「眠れぬ真珠〜まだ恋してもいいですか?〜」必見のお知らせ

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本日12月28日木曜日23時59分から日テレ、本日12月28日木曜日23時59分から日テレ、本日!12月28日!23時59分から!日本テレビ!!あなたが覚えるまで何度でも言いたい。今晩オンエアされるドラマ「眠れぬ真珠〜まだ恋してもいいですか?〜」を観よう。

原作 石田衣良 × 出演 藤原紀香 鈴木伸之
“大人の恋”を描いた ≪クリスマス スペシャルドラマ≫

45歳独身、まだ本気の恋愛してもいいですよね? 
恋は経験じゃない。恋は若さじゃない。出会いは偶然だった。 
17歳も年下の彼に、こんなにも惹かれるなんて―― 
「愛される気持ち」「愛したい気持ち」 
誰もが一度は感じたことのある「狂おしいほどの愛情」を描きながら、 
サスペンス要素を盛り込んだ、愛しくも切ない物語。 

今回の「木曜ドラマF」、テーマは「FINAL LOVE=最後の恋」
『切なさとトキメキが入り混じる“年の差恋愛”』 
『狂気のストーカーが迫りくる“恐怖のサスペンス”』 

聖夜ならではの、極上のラブミステリーを2週連続でお届けします。

今日は後編だけど大丈夫。木曜ドラマ枠の「クリスマススペシャル」と銘打ちながら大してサンタみのないストーリーだし、2週連続放送でクリスマス当日はカブってないという離れ業だし、俺はクズだし、確信はないけど、不自由と嘆いてる自由がこのドラマにあるから大丈夫。約束する。

話はさておき、今はとても便利な時代なので日テレオンデマンドで先週の放送分を観てほしい。動画のディレクトリ名は「sleepless-pearl」。

眠れぬ真珠 ~まだ恋してもいいですか?~ | 日本テレビ 日テレ無料 by 日テレオンデマンド

いかがでしたか?それではテレビの前に正座〜〜!というと自分が満足できないので興奮ポイントをまとめる。

ストーリーはラブサスペンス要素の濁流

「眠れない真珠」は藤原紀香との演じる更年期障害に足を踏み入れた45歳の美人版画家が主人公。彼女は升毅のカジュアル愛人Aとして抱かれたり愛人Bにストーカーされたりしながら、「HiGH&LOW」で街を滅茶苦茶にされて怒るヤマトさんこと鈴木伸之との17歳差の愛に気づいていく…しかもノブくんの元カノにマウンティングされながら!あと更年期障害もけっこうつらそう!

こんな感じ。本作は盛りだくさんの要素がとにかく爽快。具だくさん弁当を開けたときの「うわぁこんなに♡」っていううれしさと、それが一話60分という尺の中に秒で消化されていくというジェットコースト感で、視聴者はもれなく血の巡りが良くなる。

絶妙に雑な演出

でもストーリーのデコレーションに反して、本作は「何がスペシャルやねん」と思うくらいに美が存在しない。シーズンオフのビーチリゾート街で数日おさえてまとめて撮ったのかな?!と思うくらいロケーションが悪い意味で身近だし、スケッチに不向きなデコボコのテーブルや30分で家具を置いたマンション室内は安っぽく、ビーチには野ざらしのビニールシートが映り込む。実はdテレでも同原作のドラマが配信されていたようなんだけど、サムネの時点でこっちのほうが繊細に作られてるのがわかる。それを観てキャラクター以外の部分にもいちいち面白さを見いだせてしまう。

加えて演技演出も非常に大味でグッとくる。イタズラ書きされた張り紙の言葉選びもウソみたいなクリシェで、それを見てヒソヒソ話をする主婦たちも含めて超イージーな描き方。そんなシーンが目白押しだからすごい。先週オンエアされた第一夜(前編)の中で、更年期障害の症状の1つとして汗めっちゃ出るみたいなやつに藤原紀香が襲われるのだけど、その汁っけもいちいちすごい。

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渚のカフェでコート着たノリカがビシャビシャで倒れ(無論カップも割る)、目が醒めたらノブくんがいるって展開です。もう!

圧倒的な紀香

そんな本作のキモは当然ながら藤原紀香にある。

作中の紀香はセリフの吐き方から芝居がかったように輪郭きわだち、ワンピース1つ脱ぐだけでもハリウッド級のモーションで魅せ、肉食の生物らしき存在感強めの体を暴れさせる。そして何より、彼女がめちゃくちゃ楽しそう!っていう様をテレビ越しに見ながら、こっちもぐんぐん楽しくなってくる。このドラマを支える原作者の石田衣良やユーモアあふれるブツをこさえるスタッフや役者陣は、すべて藤原さんが全力で紀香できる環境を創らんがために集まったタスクフォースみたいだ。

私と同じアイコンでインターネット活動をしているninethreefiveさんという方がいて、この人なんでずっと藤原紀香に過剰な反応してんだろうなと思ってたけど、この作品を見て自分も完全に理解できた。ひたむきで全力の紀香には魅力しかない。こってりした体もすごいし。

 

「繊細さを焼き尽くす圧倒的な火力で豪快に感動する」っていう構図の作品が増えた昨今、それらを観て苦笑しながらも胸の奥をたぎらせてきたおれたち。そうなんです「眠れぬ真珠」もそう。愛欲の釘バットで苦難を撲殺、しかもそのワンダーウーマンが本気の紀香サンっていう最高の作品だ。1年の締めくくりにふさわしい祭りは今晩開催!

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